薬剤の在庫が1.5本。次の納品まで10日。これで足りるのか
2026年8月27日
美容室の話です。棚の6%オキシが、使いかけを合わせて1.5本。1ヶ月に8本使う店。次の納品は10日後。
この状態で、注文書を前にして手が止まる。多めに頼めば場所を取るし、お金も寝る。少なく頼めば、途中で切れる。
「なんとなく、いつもの本数」で頼んでいる店が、いちばん多い。 その「なんとなく」を、数字にします。
足りません。在庫1.5本は5.6日分で、納品の4日以上前に切れます
先に答えを書きます。
1ヶ月に8本使うということは、30日で割って、1日あたり0.27本。1本1,000mLなら267mLです。
在庫1.5本を、その速さで使うと、5.6日でなくなります。
次の納品は10日後。5.6日と10日。届く4.4日前に、棚が空きます。
「1.5本もあるから大丈夫だろう」という感覚が、ここで外れます。1.5本という本数と、5.6日分という日数は、頭の中でつながっていません。 つないだ瞬間に、答えが出ます。
頼む本数は4本。3本ではありません
必要な日数は、次の納品までの10日と、切らしたくない余裕の7日を足して17日分です。
1日に使うのは0.27本。0.27本 × 17日で、4.53本が要ります。
いま棚にあるのは1.5本。引くと、足りないのは3.03本です。
薬剤は0.03本では買えません。1本未満は切り上げなので、答えは4本になります。
暗算だと、ここを3本と答えます。4.5本くらい要って、1.5本あるから、3本。そして4日目か5日目に、誰かが「オキシ、もうないです」と言いに来ます。
0.03本のずれが、そのまま切れる日になります。 0.2本足りないだけでも、頼むのは1本です。
「1本あたりの容量」は、頼む本数を1本も動かしません
ここは、やることが1つ減る話です。
発注の画面には「1本あたりの容量」を入れる欄がありますが、この欄は、頼む本数の計算に使われていません。 容量を1,000mLにしても500mLにしても、答えは4本のままです。
本数で聞いて、本数で返す。 現場が数えているのは「本」であって「mL」ではないからです。棚を見て「1.5本」と数えられれば、それで足ります。
では容量の欄は何のためにあるのか。1日にどれくらい使っているか(0.27本=267mL)を、下に出すためだけです。入れなくても、頼む本数は出ます。
カタログを探しに行かないでください。 容量が分からないなら、空欄のままで先に進んで構いません。
4本を決めているのは、在庫ではなく「切らしたくない余裕」の欄
いちばん大事なところです。この4本という答えは、在庫の数より、余裕の日数で動きます。
同じ条件で、余裕の日数だけを変えます。
| 切らしたくない余裕 | 頼む本数 |
|---|---|
| 0日 | 2本 |
| 7日 | 4本 |
| 14日 | 5本 |
0日と7日で、倍ちがいます。
画面を開くと、この欄には最初から7日が入っています。7日が正解だからではありません。 何か入っていないと答えが出せないので、置いてあるだけです。
では自分の店の日数はどう決めるのか。思い出す出来事は1つです。
前に薬剤を切らしたとき、そのあと何日で届きましたか。
いつもは10日で届く問屋が、そのときは3日で持ってきてくれたのなら、余裕は短くていい。逆に、繁忙期に「今週は入りません」と言われた経験があるなら、そのぶん長く取る。余裕の日数は、問屋との付き合い方の数字です。棚の広さではありません。
思い出せないなら、7日のままで構いません。次に切らした日に、そこで入れ直せば足ります。
この4本に入っていないもの
正直に書きます。
- 季節の波が入っていません。 12月と2月で使う量が違う店では、月8本という数字自体が動きます
- キャンペーンが入っていません。 カラーの割引をかけた月は、8本では収まりません
- 入れた本数から計算しているだけです。 実際に足りるかどうかは、この画面では分かりません
そして、この画面の性格として1つ。入れた数字は保存されません。 次に開いたときは、また棚を数えるところから始まります。
これは不便に見えますが、発注は棚を数えないと始まらないので、実害はありません。前回の数字が残っていて、それを信じて頼む方が危ない。
数えるのは棚だけでいい
サロン電卓の「次の発注量の目安」は、1ヶ月に使う本数といまの在庫、次の納品までの日数を入れると、次に頼む本数を出します。1ヶ月に8本使う店で、在庫1.5本、次の納品まで10日なら、4本と出ます。使いかけは0.5のように入れて構いません。
https://salondentaku.com/apps/reorder-amount
登録なしで使えます。打つ数字は4つで、うち1つ(余裕の日数)は最初から入っています。
やることの順番は、これだけです。
- 棚を数える(使いかけは0.5)
- 1ヶ月に何本使うかを入れる(分からなければ、前の月の納品書の本数)
- 次の納品までの日数を入れる
この4本の使い方を、1つだけ。
4本は、正しい注文数ではありません。 この画面は、あなたの店の季節も、来月のキャンペーンも、問屋の都合も持っていません。持っているのは、いま棚にある本数と、いつも使う速さだけです。
それでも、「なんとなく、いつもの本数」よりは確かです。 出た4本を見て、「今月はカラーの予約が多いから5本」と足すのは構いません。足したことを自分で分かっている状態が、なんとなくとの違いです。