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カラーの薬剤代、8,000円のメニューで996円だった。これは高いのか

2026年8月26日

美容室の話です。スタイリスト3名、メニューはカラーのリタッチ、価格は8,000円(税抜)。

この1回で、薬剤にいくらかかっているか。

996円でした。価格に対して12.5%。残るのは7,004円です。

この12.5%を見て「高い」と思うか「そんなものか」と思うか。ここで判断を間違える人が多いので、先に中身を分けます。

996円の中身は、ほとんど1剤だった

内訳はこうなります。

  • カラー剤 1剤 2,400円 ÷ 100g × 40g = 960円
  • オキシ(2剤) 600円 ÷ 1,000mL × 60mL = 36円
  • 合計 996円

996円のうち、960円が1剤です。96%が1剤で、オキシは4%。

ここが分かると、やることが1つ減ります。オキシの仕入れ値を交渉しても、1回あたり数円しか動きません。値段の話をするなら、相手は1剤です。

「材料費を見直したい」と思ったとき、たいていは棚の薬剤を全部並べて眺めることになります。その必要はありません。金額の9割を占めている1本だけ見れば足ります。

12.5%は高いのか。店全体で見ると7〜9%に落ちる

先に答えを書きます。12.5%は、おかしな数字ではありません。

高いように見えるのは、比べる相手が違っているからです。ここから、その理由です。

サロン電卓の「損益分岐の月商」で、業種の欄から「美容室」を選ぶと、材料費率の目安として 7% が入ります(この7%はKUROCOの現場実感による目安で、公的な統計ではありません)。

7%と、カラー1回の12.5%。倍近い。

でも、この2つは比べてはいけません。数えているものが違います。

7%は店全体の数字です。店にはカットだけのお客様もいます。カット5,500円にかかる薬剤代は、ほぼゼロです。シャンプー剤くらいしか使いません。

カラーとカットが半々の店で、2人分を足してみます。

  • カラー 8,000円(材料費 996円)
  • カット 5,500円(材料費 ほぼ0円)
  • 2人で 売上13,500円、材料費996円 → 7.4%

目安の7%より、少し上に着きます。

ぴったり同じにはなりません。この996円にはシャンプー剤が入っていませんが、目安の7%の方には入っているからです。2人ともシャンプー剤を100円ぶん足すと、8.9% になります。

それでも、見たかったことは見えます。カラー1回の12.5%は、店全体で見ると7〜9%まで落ちる。 店全体の率は、カットが薄めたあとの数字です。

だから、カラー1回だけを取り出して12.5%になるのは、おかしなことではありません。逆に言うと、店全体が7〜9%に収まっているからといって、カラーの薬剤代が適正だという証拠にもなりません。

12.5%という数字ひとつでは、高いも安いも決まりません。

では、996円は何と比べればいいのか

比べる相手は3つあります。効く順に置きます。

  1. 捨てている分を入れた、本当の996円
  2. 先月の自分の996円
  3. 同じ店の、別のメニューの996円(デザインカラー、縮毛矯正)

いちばん効くのは1番です。ここだけ詳しく書きます。

動くのは仕入れ値ではなく、捨てている分

1剤は2,400円で100g。1gあたり24円です。

混ぜて、10g余って、そのまま流している。よくあります。24円 × 10g で 240円

  • 996円 → 1,236円
  • 12.5% → 15.5%

10g余らせただけで、率が3ポイント動きます。

カラーを月100回やる店なら、240円 × 100回で月24,000円。1年で 288,000円 です。

一方、仕入れ交渉で1剤を5%安くしてもらえたとします。

  • 2,400円 → 2,280円
  • 1回あたり 960円 → 912円(48円安くなる)
  • 月100回で4,800円、1年で 57,600円

10g余っているなら、捨てている方が5倍大きい。

10gは仮に置いた数字です。余りが半分の5gなら2.5倍、20gなら10倍になります。倍率は、どれだけ余らせているかで動きます。 動いても向きは変わりません。仕入れ値より、余りの方が効きます。

しかも交渉は相手のあることで、時間もかかります。余りを減らすのは、今日の1人目からできます。

(月100回で計算しています。自分の店の回数に置き換えてください)

だから、材料費を出すときは、混ぜて余った分も「1回に使う量」に入れてください。 捨てている分は、使っていないのではなく、材料費です。

残った7,004円は、どこへ行くのか

7,004円は、儲けではありません。

人の時間が入っていません。 カラーで2時間かかっていれば、その2時間の人件費と、その間の家賃と、電気と水道が、この7,004円から出ていきます。シャンプー剤もタオルも入っていません。

材料費の道具が出しているのは「薬剤にいくら使ったか」だけです。技術料の原価ではありません。ここを利益と読むと、必ず判断を間違えます。

この数字は、1回出して終わりになりません

仕入れ値は変わります。使う量も人で変わります。同じリタッチでも、スタイリストによって40gが50gになります。

1回出した996円は、その日、その人の数字です。3ヶ月並べて、はじめて傾きが見えます。 上がっているのか、下がっているのか。それが分かってから、1剤の話をすればいい。

サロン電卓の「材料費・薬剤の1施術あたり原価」は、1本の仕入れ価格・容量・1回に使う量を入れると、1施術あたりの金額と、メニュー価格に対する比率、残る金額を出します。材料は3つまで足せます。8,000円のリタッチで996円、12.5%、残り7,004円と出るのが、この画面です。

プッシュで数えているなら、計量カップに10回押し出して10で割ると、1プッシュの量が分かります。

登録なしで使えます。よく出るメニュー1つで出した比率を、お店の目安として持っておくと、次の話が早くなります。

最後に、良し悪しの線について。

この比率に、良い・悪いの線はありません。 この画面は、他のお店の数字を持っていません。持っているのは、あなたのお店の先月と今月だけです。比べるなら、そこです。

この記事で使った道具
🧪 材料費・薬剤の1施術あたり原価

薬剤1本あたりの仕入れ価格と1回に使う量から、1回の施術にかかっている材料費を計算。メニューの価格に対して何%かと、残る金額が出ます。

登録なしで、無料でお使いいただけます。

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