開業して3年、返済がきつい。1,200万円の内装は、毎月いくらに化けているのか
2026年8月27日
美容室の話です。3年前に開業して、内装・設備に1,200万円かけた。1,000万円を年2.0%・7年で借りた。
売上は悪くない。それなのに、毎月の返済日が近づくと胃が痛い。
開業のお金は、契約のときに総額で話します。1,200万円。1,000万円。でも、効いてくるのは毎月です。 その毎月がいくらなのかを、開業のあとに出し直す人は、あまりいません。
出してみます。
毎月の負担は227,675円。1日あたり9,107円
先に答えを書きます。
- 内装・設備 1,200万円を10年で使うとして、月100,000円
- 借入 1,000万円を年2.0%・7年で返して、月127,675円
- 合わせて 月227,675円
25日営業なら、1日あたり9,107円です。
シャッターを開けた時点で、家賃も人件費も材料費も、まだ1円も払っていないのに、9,107円のマイナスから始まっている。返済がきついという感覚には、ちゃんと金額があります。
227,675円のうち、通帳から出ていくのは127,675円だけ
ここが、この数字のいちばん大事なところです。227,675円は、毎月出ていく現金ではありません。
分けます。
| 金額 | 中身 | |
|---|---|---|
| 借入の返済 | 127,675円 | 毎月、実際に通帳から出ていくお金 |
| 内装・設備 | 100,000円 | 開業のときに使った1,200万円を、使う年数(10年)で割った分 |
胃が痛くなる原因は、下の10万円ではありません。上の127,675円の方です。
では下の10万円は無視していいのか。だめです。10年後にもう一度、内装をやり直すからです。そのときに手元にお金が無ければ、また借りることになります。100,000円は、次の1,200万円の積立だと思ってください。
もう1つ、断っておきます。内装を借入で賄っている場合、この2つは同じお金を2回数えていることになります。 それでも1つの金額で持っておく意味は、返済をしながら、次の内装の積立もするからです。数字の上では重なって見えても、やることは2つあります。
出ていくお金と、いつか出ていくお金。この2つを1つの数字にまとめたのが227,675円です。 どちらか片方だけを見ていると、判断を間違えます。
「何年使うつもりか」で、10万円は6.7万円にも14.3万円にもなる
この100,000円は、店の実力ではありません。年数の欄に何を打ったかで決まります。
同じ1,200万円でも、こうなります。
- 7年で使うつもり → 月 142,857円
- 10年で使うつもり → 月 100,000円
- 15年で使うつもり → 月 66,667円
いちばん上といちばん下で、倍以上ちがいます。
だから、ここに入れる年数は適当に決めないでください。入れるのは、税務で決まっている年数ではありません。自分が次に大きく直すまでの年数です。
判断のしかたは1つです。前の店を、何年で直しましたか。 クロスの張り替え、セット面の交換、シャンプー台。実際にやった周期があるなら、それがいちばん正しい年数です。まだ1周していないなら、10年で置いて、直したときに入れ直せば足ります。
利息724,700円は、均すと月8,627円。重い最初の月でも16,667円
1,000万円を年2.0%・7年で借りると、返す金額の合計は10,724,700円です。うち利息が724,700円。
72万円と聞くと、大きい。ここで「借りなければよかった」と思う人がいます。
月に直します。84回で均すと、1回あたり8,627円です。
ただし、平らではありません。元金が減るほど利息も減るので、いちばん重い最初の月で16,667円、最後の月は212円になります。
大事なのは、いちばん重い月でも16,667円だということです。72万円という総額の印象とは、桁が違います。
8,627円をどう見るかは、店によって違います。ただ、この金額を出さないまま「利息がもったいない」で繰り上げ返済に手元の現金を全部使ってしまうと、次にエアコンが壊れた日に、また借りることになります。 金利の高い借り方で。
総額で驚いて判断しない。月に直してから決める。 それだけの話です。
7年で返し終われば、負担は100,000円に落ちる
返済がきついとき、いちばん効くのは「いつ終わるか」がはっきりすることです。
この例では、借入は7年で終わります。8年目からは、毎月の負担は127,675円ぶん軽くなって、100,000円だけになります。
開業3年目なら、あと4年です。
軽くなるという話ではありません。終わりの日付が決まっている、という話です。 それが分かっていれば、今きついのか、この先ずっときついのかを、混ぜずに考えられます。
この227,675円に入っていないもの
正直に書きます。この金額は、開業にかかるお金の全部ではありません。
- 敷金・保証金は入っていません。 退去のときにいくら戻るかは契約で決まるもので、この画面はそれを持っていません
- 税金の計算はしていません。 会計や税務でいう減価償却とは、別の計算です
- 家賃・人件費・材料費は入っていません。 これは開業のお金だけを月に直した数字です
そして、いちばん大きい限界を1つ。借りられるかどうかと、金利が何%になるかは、この画面では分かりません。 年2.0%は、この例で置いた数字です。
この数字は、開業した日より、いまの方が要る
227,675円は、開業の前に出す数字だと思われがちです。実際は逆で、返済がきつい今の方が、出す意味があります。
理由は3つ。
- 金額が確定している。 開業前は見積り、いまは実際に借りた金額と金利
- 年数を実感で入れられる。 3年使ってみて、あと何年もつかが見えている
- 終わりの日付が出る。 これは開業前には実感として持てない
サロン電卓の「初期費用が月にいくら乗るか」は、内装・設備にかけたお金と使う年数、借入の金額・金利・期間を入れると、毎月の負担を1つの金額で出します。借入が無ければ、打つのは2つだけです。1,200万円を10年、1,000万円を年2.0%・7年で入れると、227,675円と出るのがこの画面です。
https://salondentaku.com/apps/initial-cost-monthly
登録なしで使えます。出た金額は「損益分岐の月商」の「その他の毎月かかるお金」に足すと、その負担を抱えたまま毎月いくら売ればいいかまで下りられます。
足す金額は、見たいもので変えてください。次の内装の積立まで含めた月商を出したいなら227,675円。いま資金が回るかを見たいなら、返済の127,675円です。内装を借入で賄っているなら、資金繰りを見る側では127,675円を使ってください。
最後に、この金額の使い方を1つだけ。
227,675円は、良いか悪いかを決める数字ではありません。 この画面は、他のお店の開業費を持っていません。持っているのは、あなたが実際に使った金額と、実際に借りた条件だけです。出した数字は、他の店ではなく、返済が終わる日と並べてください。
内装と借入を合わせて、開業のお金が毎月いくらの負担になるかを計算。その金額は「損益分岐の月商」に足して使えます。
登録なしで、無料でお使いいただけます。