1人増やすか迷っている。その方の売上が人件費を上回るのは、何か月目か
2026年9月4日
美容室の話です。人を1人増やすかどうかで、返事を先送りにしていませんか。
増やせば回る。そこまでは見えている。分からないのは、増やしてから、どれくらい持ちこたえることになるのかの方ではありませんか。
以下、雇用のスタイリストを1人増やす前提で書きます。業務委託で来ていただく場合は、5つ目の節に1つにまとめてあります。 そこだけ読み替えてください。
3か月目です。ただし、かけたお金が戻りきるのは5か月目でした
先に答えを書きます。こういう条件のときです。
- 業種 美容室(材料費率の目安7%が入ります)
- その方に払う予定の月の支給額(額面) 280,000円
- その方が月に作れると見ている技術売上 800,000円
- その売上になるまでの月数 6か月
- 求人・研修にかけるお金 200,000円
このとき、その方の売上が人件費を上回るのは3か月目。
そして、かけたお金が戻りきるのは5か月目です。
この2つは、別の月です。
1か月目と2か月目は、店から出ていきます
3か月目までの並びは、こうなります。
| 技術売上 | 材料費7%を引いた粗利 | 支給額を引くと | |
|---|---|---|---|
| 1か月目 | 133,333円 | 124,000円 | −156,000円 |
| 2か月目 | 266,667円 | 248,000円 | −32,000円 |
| 3か月目 | 400,000円 | 372,000円 | +92,000円 |
1か月目の技術売上が133,333円なのは、800,000円までまっすぐ増える形で計算しているからです。6か月で800,000円に届く見込みなので、1か月目はその6分の1です。
実際は、こんなにきれいには増えません。段のように増えます。画面の前提にもそう書いてあります。
3か月目にプラスになりました。ここを「もう大丈夫」と読んでいませんか。
「上回った月」と「取り返した月」は、別の月です。3か月目では、まだ取り返せていません
3か月目にプラスになったのは、その月だけの話です。1か月目と2か月目の赤字は、消えていません。
それまでに店から出ていくお金は、388,000円と出ます。内訳はこうです。
- 求人・研修にかけるお金 200,000円
- 1か月目 156,000円
- 2か月目 32,000円
この388,000円が戻りきるのが、5か月目です。3か月目ではありません。
- 3か月目 … その月の粗利が、はじめてプラスになる月
- 5か月目 … かけたお金の合計が、はじめて戻りきる月
増やすかどうかを迷うときに要るのは、5か月目の方です。3か月目は「その月が黒字か」の話であって、「取り返したか」の話ではありません。
耐える期間を3か月で見積もっていませんか。
答えをいちばん動かす欄は、支給額ではありません。「その売上になるまでの月数」です
上の例で、月数だけを6か月から3か月に変えます。 支給額も、見込む売上も、求人・研修のお金も、そのままです。
| 6か月で見たとき | 3か月で見たとき | |
|---|---|---|
| 上回る月 | 3か月目 | 2か月目 |
| 店から出ていくお金 | 388,000円 | 232,000円 |
| 戻りきる月 | 5か月目 | 3か月目 |
1つの欄を動かしただけで、156,000円と2か月ぶん動きました。
この欄にはスライダーが付いていて、1か月から12か月まで動かせます。動かすと数字がすぐ変わります。だからこそ、ここに気持ちで数字を入れると、答えは気持ちのとおりになります。
画面にも、こう書いてあります。
月に作れる売上は、入力した数字です。この画面が見込んだ数字ではありません。
前に入っていただいた方は、何か月で今の売上になりましたか。 思い出せる方が1人でもいるなら、その月数を入れてください。思い出せないなら、長い方を入れておく方が、あとで困りません。
業務委託で来ていただく場合は、1か月目から上回ります
すでに業務委託の方に来ていただくことが決まっている場合の節です。ここだけ、計算の形が変わります。
雇用の場合、支給額は売上と関係なく毎月同じ額が出ていきます。だから立ち上がりの月は赤字になります。
業務委託の場合、報酬が売上と一緒に立ち上がります。 売上が少ない月は、報酬も少なくなります。
歩合率50%、材料費率7%で入れると、こうなります。
- 店に残るのは売上の 43%(100% − 材料費7% − 歩合率50%)
- 1か月目から+57,333円。 上回るのは1か月目
- それまでに店から出ていくお金は、求人・研修の200,000円だけ
- ただし、戻りきるのは3か月目
その方が材料費を負担する契約になっている場合は、材料費率の欄を空にしてください。 そのとき、この例(歩合率50%)で店に残るのは50%と出ます。材料費を店が立て替えて、あとから報酬で差し引く形になっている場合は、空にすると数字が合いません。
上の雇用の例(1か月目 −156,000円)には、税金・社会保険の会社負担分が入っていません。 この節は、その分を抜いたまま並べたものです。
ここでも、上回る月(1か月目)と戻りきる月(3か月目)は別です。
業務委託の歩合率は、店だけでは変えられません。契約の変更になります。
なお、どちらで契約するかは、実際の働き方の実態で決まります。選び方の話ではありません。
歩合率の欄は、画面の中では数字を動かすだけの欄に見えます。実際には、動かすには相手との合意が要ります。 試算のつもりで動かした率を、そのまま条件として出さないでください。
フリーと指名で率が違う場合は、ならした率を1つ入れる形になります。
この数字に入っていないものが、4つあります
画面が自分から書いていることです。
- 税金・社会保険の会社負担分(入っていません。実際に上回るのは、これより後になります)
- 家賃・その他の毎月かかるお金(入っていません)
- いまいるスタッフのお客様が、その方に移る分(店全体の売上は、この計算ほど増えないことがあります)
- 教える側の時間が、その間どれだけ取られるか
3つ目を、増やす前の計算に入れていますか。 新しく入った方の売上が、そのまま店の増分になるとは限りません。移っただけの分は、店全体では増えていません。
もう1つ、前提があります。いま席が空いていて、その席で施術する前提です。席が足りない場合、この数字は成り立ちません。
打つのは4つ。「その方は」を押すと、下の欄が入れ替わります
サロン電卓の「スタッフ1人増やしたときの採算」は、選ぶ欄が2つ、打ち込む欄が4つです。
https://salondentaku.com/apps/one-more-staff
登録なしで使えます。個人名の欄も、年齢の欄も、経験年数の欄もありません。 扱うのは「1人分の枠」です。
答えのカードは2枚、いちばん上に出ます。 1枚目が「上回るのは何か月目か」、2枚目が「それまでに店から出ていくお金」です。間に、次に開く画面への行き先が1行入ります。 入力欄はその下です。
かけたお金が戻りきるのは何か月目かは、カードには出ません。入力欄をすべて通り過ぎた下に、1行だけ出ます。
- 業種を選ぶ(美容室を押すと、下の材料費率に目安の7%が入ります)
- 「その方は」で[雇用]か[業務委託]を押す
- 押した方によって、次の欄が入れ替わります
- 雇用 → その方に払う予定の月の支給額(額面 / 月・円)
- 業務委託 → その方に払う予定の歩合率(%)
- その方が月に作れると見ている技術売上(円)
- その売上になるまでの月数(か月・下にスライダーが付いています)
- 求人・研修にかけるお金(円・任意。空のままでも計算できます)
- 材料費率(%・業種を選ぶと入ります。お店の数字が分かるなら、そちらに直してください)
[雇用]と[業務委託]は、押した方が色の付いたボタンになります。 どちらを押しているか分からなくなったら、色の付いている方が今の選択です。
「この画面で分からないこと」は、畳んであります。 入力欄より下にあるボタンを押すと開きます。上に書いた4つも、そこに入っています。
この画面の使い方を、1つだけ。
増やすかどうかを決める画面ではありません。 決めるための材料を1つだけ出す画面です。出るのは「何か月耐えることになるか」で、その月数に耐えられるかどうかは、この画面には分かりません。
耐えられないと出たときに、求人を止めるのか、支給額を見直すのか、増やす時期をずらすのかは、こちらに残ります。数字が決めてくれる形にはなっていません。
1人増やしたとき、その方の売上が人件費を上回るのが何か月目かを計算します。それまでに店から出ていくお金も出ます。
登録なしで、無料でお使いいただけます。
- スタッフが1人辞めた。空いたままの1か月は、いくら持っていくのかスタイリスト6名の店で1席が1か月空くと318,000円。3か月で954,000円、1人採るお金の約4.0倍でした。
サロン電卓には、いま35本の道具があります。道具の一覧を見る →