← 読みものの一覧に戻る

人が足りない。足りていないのは、本当に人のほうか

2026年8月29日

美容室の話です。セット面が6つ、施術するスタイリストが4人。月に延べ320人ご来店、平均単価8,000円。月商にすると2,560,000円の店です。

この店で「人が足りない」と思ったとき、最初に開くのは求人サイトになっていませんか。

その前に、10秒で終わる確認が1つあります。足りていないのが人なのか、席なのか。 同じ「足りない」でも、この2つは打ち手が正反対になります。

数え方は業態で変わるので、この記事はセット面のある美容室の話に絞ります。アイサロンやネイルサロンでは、席の数え方そのものが変わることがあります。

席6・スタッフ4人なら、足りていないのは人のほうです。伸びしろは月1,280,000円

先に答えを書きます。

セット面6に対して、施術するスタイリストが4人。空いている席は2つです。 スタッフを、あと2人まで入れられます。

この店はいま、スタッフ1人あたり月80人を受けています。320人 ÷ 4人です。空いている2席が、いまと同じ受け方で埋まると、月160人・1,280,000円が増える見込みになります。月商2,560,000円が3,840,000円です。

ただし、この1,280,000円には但し書きが3つ付きます。

  • 新しく入った方が、初月から月80人を受けられるとは限りません
  • 人件費も材料費も引いていません。 売上が増える金額であって、手元に残る金額ではありません
  • 採用にかかるお金と、入るまでの期間が入っていません

それでも、この数字が要る場面があります。求人にいくらまでかけるかを決めるとき、出発点になるのがこの金額だからです。比べる相手は、ここから人件費を引いたあとの金額になります。

同時に受けられるのは4人ぶんです。席を7つに増やしても、4人のままです

サロン電卓の「人手と席が釣り合っているか」は、同時に施術できる数を、席数とスタッフの人数の「少ない方」として見ています。

セット面6・スタイリスト4人の店で、同時に施術できるのは4人ぶんです。6人ぶんではありません。ここで席を1つ足して7にしても、同時に施術できる数は4人ぶんのままです。多い方を増やしても、この数は動きません。

そして、この「同時に何人ぶんか」が、同じ時間に受けられる人数の上限です。人のほうが少ない店では、人が1人減れば同時に受けられる数が減り、取りたい日に取れない方が出ます。増やせば増えます。受けられる数の側から見ると、席と人のどちらが少ないかで、動く数字が決まります。

「人が足りない」と感じたとき、先に見るのは求人票ではなく、いま少ないのはどちらかという1点です。

席のほうが少ない店では、採用しても座る場所がありません

セット面4に対して、施術するスタイリストが6人。同じ月320人・単価8,000円だとします。

このとき画面に出るのは「空いている席」ではなく、「席に対して多い人数 2人」です。同時に施術できるのは4人ぶん。人数ぶんの席がなく、時間をずらして回している状態です。

この店では、増える金額が出ません。 空いている席がないので、埋まったときの金額を出しようがないからです。

同じ「人が足りない」でも、こちらの店で1人採ると、席の取り合いが1人分増えます。この状態で採用の話を進めていませんか。 進めるなら、席を増やせるか、入る時間をずらせるかを先に決めることになります。

「1席あたり53.3人」が低いのは、稼働が悪いからとは限りません

最初の店(席6・スタッフ4人・月320人)の内訳は、こうなります。

画面に出る行数字出し方
スタッフ1人あたり80人320 ÷ 4
1席あたり53.3人320 ÷ 6

1席あたりが53.3人と低いのは、席の使い方が悪いからではありません。座る人がいない席を2つ数えているからです。

そして逆の店(席4・スタッフ6人・月320人)では、この2つがそのまま入れ替わります。1席あたりが80人、スタッフ1人あたりが53.3人です。

2つの行のうち、低いほうが余っているもの、高いほうが詰まっているものです。 同じ月320人の店でも、どちらが余っているかで、次にやることが変わります。

1,280,000円に入っていないもの

正直に書きます。画面の「この画面で分からないこと」に、5つ並んでいます。

  • そのスタッフが1日に何人を受けられるか。 メニューと施術時間で変わります
  • アシスタントが入ることで、何人ぶん増えるか。 アシスタントは、スタッフの人数に数えていません
  • 曜日と時間帯の偏り。 週末だけ足りていない、はこの数字では出ません
  • 採用にかかるお金と、入るまでの期間
  • 席を増やせるかどうか。 間取りと設備の話は入っていません

3つ目が、いちばん効きます。この計算は月の合計だけを見ていて、シフトも予約の入り方も見ていません。 月で見れば席が2つ空いていても、土曜の午後だけは席も人も埋まっている、ということが起こります。その日にお断りしたお客様の数は、この数字には出ません。

シャンプー台をどう数えるかも、店で扱いが変わります。セット面だけで一度出してみてください。 数え方を変えて出し直すのは、あとからでもできます。

数えるのは、席と施術する人の2つだけです

サロン電卓の「人手と席が釣り合っているか」は、席数と、施術するスタッフの人数の2つを入れると、いま何席空いているかを出します。 月の来店人数と客単価も入れると、その席が埋まったときに月いくら増えるかまで出ます。

登録なしで使えます。シフト表も予約表も開きません。 数えるのは、いま店にあるセット面の数と、施術する人の数です。

打つ欄は4つで、うち2つは任意です。

  1. 席数(施術できる席。待合いは数えません)
  2. 施術するスタッフの人数(アシスタントは除きます)
  3. 月の来店人数(任意。空のままでも、空き席の答えは出ます)
  4. 客単価(任意。空のままでも、空き席の答えは出ます)

この4つは、[覚えておく]に入れておける数字と同じものです(覚えておくには、無料の会員登録が要ります)。一度覚えさせておけば、翌月からは開いた瞬間に答えが出ます。

席が空いていた店には、画面から次の行き先が出ます。開いた先では、数字をもう一度入力します。 その空き席を埋めるかどうかは、何ヶ月目に人件費を上回るかを見てから決められます。

この1,280,000円の使い方を、1つだけ。

1,280,000円は、明日入る金額ではありません。 この計算は、その席に座る人を採用できるかどうかを知りません。持っているのは、席の数と、人の数と、いまの受け方の3つだけです。それでも、求人に出す前に「うちはどちらが少ないのか」を10秒で分けられます。 少ないほうが人なら求人の話、席なら間取りと時間の話です。分けないまま求人サイトを開くと、席が足りない店が人を採ることになります。

この記事で使った道具
🪞 人手と席が釣り合っているか

席数と、施術するスタッフの人数を入れると、いま何席空いているかが出ます。月の来店人数と客単価も入れると、その席が埋まったときに月いくら増えるかまで出ます。

登録なしで、無料でお使いいただけます。

この記事に関係する読みもの

サロン電卓には、いま35本の道具があります。道具の一覧を見る →

美容室で人が足りない。足りないのは席か人か|サロン電卓