予約サイトの広告費を上げるか迷っている。新規のお客様1人に、いくらまで出していいのか
2026年9月1日
美容室の話です。1ヶ月の新規のお客様が50人、再来のお客様が250人。新規の平均単価7,000円、再来は8,000円。家賃・人件費・その他の毎月かかるお金は合わせて1,450,000円。(金額はすべて税抜で書きます)
予約サイトの広告費を、いまより上げるかどうか。
その話が、上限の金額を決めないまま止まっていませんか。
原価の作りが業態で変わるので、この記事は美容室の話に絞ります。
1,677円です。材料費だけを引いた6,510円ではありません
新規のお客様1人にかけられる広告費の上限は、2段で出ます。
(1)材料費だけを引いた金額 6,510円
(2)そこから、1人あたりの毎月かかるお金まで引いた金額 1,677円
(1)は、新規の単価7,000円から材料費7%を引いた金額です。7,000円 × 93% = 6,510円。
(2)は、そこから家賃も人件費も引いた金額です。1,677円。
(1)と(2)は、4倍近く違います。 広告費の話をするとき、頭の中にあるのは、どちらの金額ですか。
(この7%は公的な統計ではありません。KUROCOが運営する美容室3店舗で、材料費を売上の7%以内におさえています。その線を、そのまま目安として置いています。他店の平均ではないので、7%を超えていることが悪いという意味にはなりません)
そして、この2つには但し書きが4つ付きます。
- どちらも上限であって、この金額をかけるという意味ではありません
- 掲載料と、クーポンの値引き分は入っていません
- 家賃・人件費は、(2)にだけ入っています
- 毎月かかるお金1,450,000円は、この店の例です。 家賃は立地と広さで変わり、雇用しているスタッフの給与も、ここに入ります。金額が変われば、(2)も変わります
差の4,833円は、その月に来た300人で割った「毎月かかるお金」です
6,510円と1,677円の差は、4,833円です。この4,833円が何なのかを書きます。
毎月かかるお金1,450,000円を、その月にご来店いただいた人数で割ります。新規50人と再来250人で、300人です。
1,450,000円 ÷ 300人 = 4,833円
来ていただいた方お一人につき、家賃・人件費・その他が4,833円ぶん動いている、という見方です。
新規のお客様だけを特別扱いしていません。 新規も再来も同じ4,833円を背負う形で計算しています。新規の方に多めに配ることも、少なめにすることもしていません。この画面は、新規と再来で材料費率も分けていません。 分けた数字をお持ちなら、この画面より細かく出せます。
だから(2)の1,677円は、そのお客様がお一人ぶんの家賃・人件費まで背負ったうえで、それでも残る金額です。ここが広告費に出せる線になります。
ただし、この4,833円をそのまま持ち帰らないでください。
1,450,000円は、この店の例です。家賃は立地と広さで変わります。 同じ人数を受けていても、駅前の10坪と住宅街の20坪では、この金額が揃いません。雇用しているスタッフの給与・社会保険の会社負担も、ここに入ります。 歩合だけの形と、固定給がある形とでは、同じ人数でも金額が変わります。
やることは1つです。ご自身の店の毎月かかるお金を、その月に来ていただいた人数で割る。 それだけで、その店の4,833円が出ます。金額が動けば、(2)も同じだけ動きます。
2回目があるなら、上限は上がります。2回で21,390円
いまの1,677円は、そのお客様が1回で終わる前提の数字です。
画面のつまみを動かして「これから2回来ていただく」にすると、こうなります。
(1)は 21,390円(6,510円 + 7,440円 × 2回)
(2)は 16,557円
7,440円は、再来のお客様1回あたりの粗利です。8,000円 × 93% で出ています。
1回で終わる前提なら1,677円。2回続くなら16,557円です。
ただし、これは2回目以降が続いた場合の数字です。続かなければ、戻ってきません。
そして、この16,557円は、2回目以降のご来店にも同じ4,833円がかかることを引いていません。その分だけ、多めに出ています。 2回目・3回目のご来店にも、家賃・人件費は同じだけかかります。
この画面は、新規の方が2回目に来る割合を持っていません。 つまみを2回に動かした瞬間、それは予測ではなく、「2回来ていただけたら」という仮の話になります。
いま実際に出している広告費は、(2)の金額を超えていませんか。超えているなら、1回きりのご来店では戻らない金額を出している、ということになります。 悪いという意味ではありません。2回目以降を見込んで出しているのかどうかを、決めた上で出しているかという話です。
毎月かかるお金に、広告費と掲載料を入れません。二重に数えることになります
入力欄の下に、入れるものと入れないものが並んでいます。
入れるもの — 家賃・共益費/人件費(固定給・歩合・社会保険の会社負担)/水道光熱・通信/リース・システム/掃除用品などの消耗品
雇用しているスタッフの給与は、ここに入ります。 固定給も、歩合の部分も、社会保険の会社負担も同じです。業務委託の方への支払いと、扱いが変わるところです。
入れないもの — 広告費・掲載料/材料費/税金・借入の返済
広告費と掲載料を入れない理由は1つです。この画面が出しているのが、その上限そのものだからです。 入れると、同じお金を2回数えることになります。
材料費を入れないのは、材料費率の欄で計算しているからです。
そして、ここはざっくりで構いません。 人件費は、歩合も含めた先月の支給額の合計で足ります。1万円単位の違いで、答えの向きは変わりません。 帳簿を開いて正確に積み上げようとして、そのまま閉じたことはありませんか。概数で一度出したほうが、先に進みます。
1つだけ確かめてください。この1,450,000円に、ご自身への報酬が入っていますか。 入っていなければ、1人あたりの4,833円はその分だけ小さく出ています。(2)の1,677円は、多めに出ていることになります。
6,510円も1,677円も、上限であって目標ではありません
この画面には、目標の線がありません。「新規1人に1,677円かけましょう」とは書いていません。
出しているのは、ここを超えると、そのお客様1人からは戻らないという線だけです。超えてはいけないという意味でもありません。2回目・3回目が続くなら、超えた分は先の来店から戻ります。
そして、この線は単価で動きます。 同じ300人・1,450,000円の店でも、新規の平均単価が10,000円なら、(1)は9,300円、(2)は4,467円です。単価7,000円の店の1,677円とは、2倍以上ひらきます。他所で聞いた金額ではなく、自分の店の単価を入れないと、この線は出ません。
この画面が知らないことも、そのまま並んでいます。その広告費で新規のお客様が実際に来るかどうか。新規の方が2回目に来る割合。いま掲載料をいくら払っているか(入力していません)。紹介で来た方と、広告で来た方の区別。新規の方にかかる時間が、再来より長いこと。
とくに最後の1つは、金額に出ていません。新規のお客様にはカウンセリングの時間がかかりますが、この計算では単価と材料費しか見ていません。
この数字は、広告を出す前の1回だけでは終わりません
サロン電卓の「新規とリピートの採算」は、新規50人・単価7,000円、再来250人・単価8,000円、毎月かかるお金1,450,000円、材料費率7%を入れると、上限を6,510円と1,677円の2段で出します。あわせて、再来1回あたりの粗利7,440円と、1ヶ月の粗利の合計2,185,500円が並びます。
https://salondentaku.com/apps/new-vs-repeat
登録なしで使えます。業種を選ぶと材料費率の目安が入るので、打つ数字は人数と単価の4つだけで、上限の(1)までは出ます。毎月かかるお金は空のままでも構いません。その場合は(2)が出ないだけです。
広告費を上げた月と、上げなかった月で、この上限は動きます。人数が増えれば1人あたりの家賃・人件費が下がり、(2)は上がります。 1回出して終わりにせず、翌月の人数でもう一度出すと、その動きが見えます。
新規のお客様1人にかけられる広告費の上限を計算。材料費だけを引いた金額と、家賃などの毎月かかるお金まで引いた金額の2段で出ます。
登録なしで、無料でお使いいただけます。
- 月300人の店で、来店の間隔が8週から7週になる。月商はいくら増えるのか間隔が8週から7週になると、月300人・単価8,000円の店で月商は344,000円増えます。実人数554人は1人も増えていません。
- クーポンで20人来た。値引いた60,000円は、次に何人来れば戻るのか値引いた60,000円を取り返すのに必要なのは、次に通常価格で来る9人。戻ったのが6人なら、あと15,360円です。
サロン電卓には、いま35本の道具があります。道具の一覧を見る →