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採用が決まった。何を、いつまでにやればいいのか

2026年8月27日

「9月1日から、よろしくお願いします」

この連絡が来た日は、ほっとする。求人を出してから、ここまで長かった。カレンダーに入社日を入れて、いまいるスタッフに「新しい人、9月1日からね」と伝える。

そして、たいていそこで止まる。 次に何かを考えるのは、8月31日の夜になる。

以下、美容室にスタイリストが1人入る場合の話に絞って書く。アシスタントや受付では、初日にやることが1つ増える。

受け入れが抜けるのは、準備不足ではない。いつやるかを決めていないからだ

やることを知らないオーナーは、まずいない。ロッカーを空ける、名札を作る、シフトを共有する。聞かれれば全部答えられる。

抜けるのは、それを「いつ」やるかが決まっていないからだ。

決まっていない仕事は、忙しい日に飛ぶ。そして採用が決まってから入社日までの2〜3週間は、たいてい人が足りていない時期だ。飛ばした仕事は、初日の朝に思い出す。

だから直し方は1つで、やることを増やすのではなく、それぞれに日付を付ける。

用意する日は4回に分かれる。前日・初日・1週間目・30日目

サロン電卓の「入社後30日の受け入れ表」は、入社日を1つ入れると、この4つの区切りを日付つきで出す。

9月1日にスタイリストが入る場合は、こうなる。

■ 8月31日 までに

■ 9月1日 初日

■ 9月8日 1週間目

■ 9月30日 30日目

1週間目は入社日から7日後、30日目は29日後だ。入社日から数えた暦の日なので、定休日もシフトも見ていない。出た日が定休日なら、前後にずらして使う。

区切りが4つしかないのは、少ないほうが残るからだ。

前日までにやることは5つ。全部「決める」だけで、買うものはない

ロッカー、タオル、道具の置き場所を決める

名札と、名前の伝え方(お客様への紹介の仕方)を決める

初日にそばにいる人を、1人決める

入社の書類を送る

シフトを、いまいる方に共有する

お金がかかるものが1つもない。発注も、業者への連絡もいらない。 5つとも、店の中で決めれば終わる。

この中で性質が違うのが、「初日にそばにいる人を、1人決める」だ。

ここを決めずに初日を迎えると、その日そばにいるのは「手が空いている人」になる。そして忙しい日は、誰も手が空かない。 新しく入った人は、聞く相手を毎回探すことになる。1人決めておけば、忙しくてもその人に聞ける。

「名前の伝え方」も、決めておかないと初日に困る。お客様に紹介するとき、下の名前で呼ぶのか、苗字なのか。その場で迷うと、その迷いはお客様にも本人にも伝わる。

初日にやることは3つ。本体は最後の10分

緊急のときの連絡先を、お互いに交換する

シャンプー台と、薬剤・カラー剤の置き場所を回る

その日の終わりに、10分だけ話す時間を取る

アシスタントが入る場合は「シャンプー台と道具の場所を、実際に触って確認する」が、受付が入る場合は「レジと電話の受け方を、一度いっしょにやってみる」が、ここに1つ足される。

この3つで、いちばん飛びやすいのが最後の10分だ。

初日はたいてい遅くまでかかる。片付けが終わって、みんな疲れている。「おつかれさま、また明日ね」で帰したくなる。

ただ、初日に感じた引っかかりは、翌日にはもう言いにくくなる。 2日目には店のやり方が「そういうもの」になっていて、聞くタイミングを逃す。10分でいいので、その日のうちに聞いておく。長く話す必要はない。

1週間目は2つ。「シャンプーに入る順番を決める」が入っている理由

シャンプーに入る順番を決める

開店と閉店の流れを、一度いっしょに回る

順番が決まっていないと、新しく入った人は自分から入れない。既存のスタッフの側も、渡していいのか分からない。どちらも遠慮して、結局その人はシャンプーに入らないまま1週間が過ぎる。

これは相性の問題ではなく、決まりがないだけの話だ。1週間目に一度合意しておけば、あとは回る。

業務委託の方の場合は、ここだけ扱いが変わる。 入る施術の範囲は店が決めて伝えるものではなく、契約の範囲としてあらかじめ合意しておく。

30日目は、30分の面談。日付だけ先に押さえる

30分の面談。困っていること、次の1ヶ月でできるようにすること

30日目の面談は、忙しくなると最初に消える。先に日付が出ているのは、そのためだ。

これは評価の面談ではない。点数も、評価表もない。聞くのは2つだけ。 いま困っていることと、次の1ヶ月でできるようにすること。

30日というのは、店のやり方に慣れてくる一方で、まだ「言ってもいいこと」の線が分かっていない時期だ。ここで一度こちらから場を作っておくと、次に何かあったとき、その人から言いに来やすくなる。

業務委託で来る方には、雇用の手続きの項目は出ない

ここは働き方と契約の話に触れる。 雇用と業務委託では、契約の結び方も、店が用意するものも違う。この表も切り替わるが、どちらで契約するかは実際の働き方の実態で決まる。 自分の店の契約内容と運用を確認してほしい。

前日までの5項目のうち、「入社の書類を送る」は雇用を選んだときだけ出る。 業務委託を選ぶと、この項目は消えて4つになる。

残りの4つ——置き場所、名札と呼び方、そばにいる人、シフトの共有——は、どちらでも変わらない。契約の形が違っても、初日にその人が困ることは同じだからだ。

この表で店が決めるのは、店の側の用意だ。 置き場所も、名札も、そばにいる人も、シフトの共有も、相手の動き方を決めるものではなく、受け入れる側が整えておくものになる。業務委託の方についても、そのまま成立する。

ただし1つだけ性質が違う。 シャンプーに入る順番のようにその方の仕事の範囲に関わることは、店が決めて伝えるのではなく、契約の範囲としてあらかじめ合意しておく。 決めて伝える形にすると、契約の形と実際の運用が食い違っていく。

言葉についても1つ。業務委託の方には「入社」という言い方が当てはまらない場面がある。表の上では入社日の欄に契約の開始日を入れて、そのまま使えばいい。

ただし、契約書やご本人にお送りする案内の文書では、「入社」「採用」という言い方をしない。 表の中の欄の名前として使うだけにとどめる。

この表に入っていないものが、4つある

  1. その方の経験と、どこから教える必要があるか
  2. 定休日とシフトの入り方
  3. 店ごとの手続き(鍵、システムのアカウント、制服の手配)
  4. 30日より後のこと

3つ目は、店ごとに違うので入っていない。 表をコピーしたあとに足すことになる。鍵とシステムのアカウントは、当日に思い出しても間に合わないことがある。

そして4つ目が、この表のいちばん正直なところだ。 30日で切れている。31日目以降は入っていない。

採用が決まった日に、やること3つ

1. その日のうちに、入社日を入れて表を出す。

入社日を打つだけで出る。コピーして、いつも連絡に使っている場所に貼る。

2. 「初日にそばにいる人」だけは、名前で決める。

5項目の中で、ここだけは後回しにすると当日まで決まらない。

3. 30日目の面談を、先にカレンダーに入れる。

入社日から29日後。空けておかないと、その日は必ず埋まる。

やらないこと:30日より先の教育計画を、いま作ること。

その人がどこから教える必要があるかは、初日に会うまで分からない。先に作った計画は、たいてい1週間目で合わなくなる。

やらないこと:表を自分の店用に一から作り直すこと。

コピーしてから足すほうが早い。作り直しているうちに入社日が来る。

受け入れの形は整う。続くかどうかは、別の話

サロン電卓の「入社後30日の受け入れ表」は、入社日を打ち込み、入る方の役割と雇用の形を選ぶと、4つの区切りが日付つきで出る。 無料で、会員登録も支払いもいらない。

入る方の名前を入れる欄はなく、保存もしない。 評価の記録ではないからだ。

正直に書いておくと、この一覧をやったからといって、その人が続くとは限らない。整うのは受け入れの形だけで、続くかどうかは、この表の外にある。

それでも、初日に聞く相手が決まっていること、シャンプーに入る順番が1週間目に合意できていること、30日目に話す場があること。この3つがあるのとないのとでは、その人が最初の1ヶ月で使う気力の量が変わる。新しく人が入るたびに、1回だけ出せばいい。

この記事で使った道具
📅 入社後30日の受け入れ表

入社日を入れると、初日までにやること・初日・1週間目・30日目が、日付つきで出ます。そのままコピーして使えます。

登録なしで、無料でお使いいただけます。

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