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スタッフ3人のお給料を、1万円ずつ上げたい。お客様は月にあと何人要るのでしょうか

2026年10月7日

美容室の話です。スタイリストは3人、1店舗。

3人とも雇用で、お給料は固定給の月30万円です。歩合は付けていません。金額は店によって違います。ここでは一例として、この店の数字で計算します。

家賃は共益費込みで、月35万円。水道光熱や広告などのその他が、月20万円。

毎月かかるお金は、人件費の90万円と合わせて145万円です。

客単価は8,000円。材料費は、その7%と置きました。

3人のお給料を、1万円ずつ上げたいと考えています。

ただ、上げたあとも店が回るのかが分かりません。それで、3人にはまだ話していません。

みなさんは、上げたい金額を、お客様の人数に直してみたことはあるでしょうか。

この記事は、1万円ずつ上げるとお客様が月にあと何人要るのか、その1点だけに答えます。

月にあと4人です。赤字にならない客数が、195人から199人に上がります

先に答えを書きます。

3人に1万円ずつなら、赤字にならない客数は月195人から月199人。差は4人です。

上げるのは、3人合わせて月3万円。毎月かかるお金は、145万円から148万円になります。

売上からは、先に材料費の7%が出ていきます。残るのは93%です。

ですから、毎月かかるお金を93%で割ると、赤字にならない月商が出ます。

  • 上げる前 145万円÷93% → 月商1,560,000円 → 月195人
  • 上げた後 148万円÷93% → 月商1,592,000円 → 月199人

月商は、千円の単位で切り上げています。客数は、その月商を客単価の8,000円で割った人数です。

ここまでの金額と客数は、例として置いた値です。ご自分の店の数字に置き換えて読んでください。

「あと4人」を、4人増やさないと上げられない、と読まないでください

いちばん大事なところを書きます。

199人は、上げたあとに赤字にならない線です。いまの客数に4人を足す、という意味ではありません。

この店の先月のお客様が220人だったなら、199人の線より21人多く来ています。お給料を上げても、この計算では赤字になりません。

変わるのは、手元に残るお金です。毎月3万円、1年で36万円少なくなります。ご自身の報酬を出すのも、このお金からです。

手元に残るお金を上げる前と同じにしたいなら、要るのはお客様およそ4人分です。

先月が197人だったなら、どうでしょうか。上げる前は線の2人上、上げたあとは線の2人下です。

上げられるかどうかは、上げる金額より、いまの客数が線の何人上にいるかで読むのです。

この店では、1万円ごとに線がおよそ4人ずつ上がります

上げる金額を変えて並べます。3人とも同じ金額を上げる場合です。

1人あたり上げる金額赤字にならない月商月の客数
上げる前1,560,000円195人
5,000円1,576,000円197人
10,000円1,592,000円199人
20,000円1,624,000円203人
30,000円1,656,000円207人

この店では、3人に1万円ずつ上げるたびに、線がおよそ4人ずつ上がります。

お客様1人から材料費を引いて残るのは、7,440円です。3万円を7,440円で割ると、およそ4人になるのです。

並べる相手は、いちばん少なかった月の客数です

お給料は、上げた月から毎月続きます。上げたあとで、店の都合だけで下げられるものではありません。

一方で、お客様の数は、月によって動きます。

ですから、199人と並べるのは、先月の客数だけでは足りません。この1年でいちばん少なかった月の客数も、横に置いてください。

この例の数字のままなら、いちばん少ない月でも199人を上回っていれば、上げたあとに赤字の月は出ない計算になるのです。

下回る月があるなら、何月に何人足りないのかが、上げる前に分かります。

月3万円には、社会保険の会社負担と残業代が入っていません

この記事の3万円は、固定給を上げた分だけです。次のものは入っていません。

  • 社会保険と労働保険の会社負担。お給料が上がると、こちらも増えます。増える時期と金額は、店によって違います
  • 残業代。固定給が上がると、1時間あたりの単価も上がります
  • 賞与。固定給をもとに決めている店では、その分も動きます
  • 税金と、借入の返済
  • 店販の売上。客単価は、技術の売上だけで置いています

はじめの3つは、お給料と一緒に増えるお金です。見込みの金額が分かるなら、3万円に足してから同じ割り算をしてください。

毎月決まった額の残業代を払っている店は、その金額で足りているかも、あわせて見直してください。

この例の145万円には、ご自身の報酬も入れていません。入れる場合は、毎月かかるお金に足します。

歩合を固定給に上乗せしている店では、同じ1万円でも、線の上がり方が大きくなります。売上が増えると、歩合の支払いも増えるためです。

業務委託の方の報酬は、この記事では扱っていません。

お給料を上げると、社会保険の届け出や、就業規則の書き換えが要ることがあります。上げる前に、顧問の社会保険労務士さんに確かめてください。

上げたあとに何が起きるかは、この計算からは分かりません

この計算は、次のものを見ていません。

  • あと4人のお客様が、実際に来てくださるかどうか
  • お給料を上げたあと、3人の働き方や気持ちがどう変わるか

そして、いちばん大きい限界を1つ。上げるかどうかを、この計算は決めません。

出るのは、上げたあとの線が何人になるか、だけです。

その線を見て、上げるのか、時期をずらすのか、金額を変えるのか。決めるのは、3人の顔を知っているあなたです。

上げたあとの線を、数字を1つ替えるだけで出す道具があります

ここまでの計算は、電卓でもできます。ただ、金額を変えるたびに割り算と切り上げをやり直すのは、手間がかかります。

その手間のほうを引き受ける道具として、サロン電卓に「損益分岐の月商(いまの店)」があります。

入れるのは、家賃、その他の毎月かかるお金、スタッフの人数、1人あたりの固定給、平均単価の5つです。

業種で美容室を選ぶと、材料費は7%が入ります。営業日数は、最初から25日が入っています。

この例の数字を入れると、赤字にならない月商は1,560,000円、月195人・1日およそ7.8人と出ます。

1人あたりの固定給を、300,000から310,000に打ち替えてみてください。月商は1,592,000円、月199人・1日およそ8.0人に変わります。

社会保険の会社負担やご自身の報酬は、「その他の人件費」に入れると、線の計算に入ります。

材料費の7%は消さないでください。消すと0円として計算され、上げたあとの線が185人と低く出ます。

今夜やることは1つです。この1年でいちばんお客様が少なかった月の人数を、数えてみてください。今夜は、数えるところまでで十分です。線のほうは、ご自分の店の数字で出してから並べてください。

この記事で使った道具
📊 損益分岐の月商(いまの店)

家賃・人件費・その他から、毎月いくら売れば赤字にならないかを計算します。1日あたりの金額と、平均単価で割った月の客数まで出ます。

登録なしで、無料でお使いいただけます。

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