アイサロンで、手数料とポイントが売上の3.3%。赤字にならない客数は、月に何人上がるのでしょうか
2026年10月13日アイサロンの場面で書いています
アイサロンの話です。アイリストは3人、1店舗。
毎月かかるお金をまかなうには、月にいくら売ればよいのか。この金額を、ここでは赤字にならない月商と呼びます。
その月商を平均単価で割った人数が、赤字にならない客数です。この記事では、この2つを合わせて、赤字にならない線とも書きます。
この店は、赤字にならない月商を、家賃やお給料など毎月かかるお金と、材料費から出してきました。
入れていないお金が、2つあります。カードやQR決済などの手数料と、予約サイトのポイントです。
予約サイトによっては、ポイントのうちお店が負担する分があります。ここで言うポイントは、そのお店負担の分です。
この店の数字を置きます。
3人とも雇用で、お給料は固定給の月25万円です。歩合は付けていません。
家賃は共益費込みで、月25万円。水道光熱や、予約サイトの毎月の掲載料などのその他が、月20万円。
お給料は3人で75万円。家賃とその他を足して、毎月かかるお金は120万円です。
お客様お一人の平均単価は6,000円。グルーなどの材料費は、売上の3%と置きました。
金額は店によって違います。ここでは一例として、この店の数字で計算します。この記事で計算に使う売上と平均単価は、税抜です。
手数料がかかるのは、現金以外でいただいた分だけです。この店では、売上の75%。率は、3%ほどと置きます。売上全体から見ると、2.25%です。
ポイントのお店負担がかかるのは、予約サイト経由のご予約でいただいた分だけです。この店では、売上の半分。率は、2%と置きます。売上全体から見ると、1%です。
足すと3.25%。小数第2位を四捨五入して、合わせて売上の3.3%と置きます。
3%ほどなら小さい。そう見て、入れずにきました。
みなさんの店では、赤字にならない月商に、手数料とポイントを入れているでしょうか。
この記事は、手数料とポイントを入れると、赤字にならない客数が月に何人上がるのかに答えます。
月に7人です。赤字にならない客数が、207人から214人に上がります
先に答えを書きます。
手数料とポイントを入れると、赤字にならない客数は月207人から月214人。差は7人です。
売上からは、先に材料費の3%が出ていきます。残るのは97%です。
手数料とポイントの3.3%も、売上と一緒に出ていくお金です。こちらも引くと、残るのは93.7%になります。
毎月かかるお金の120万円を、残る割合で割ると、赤字にならない月商が出ます。
- 入れる前 120万円÷97% → 月商1,238,000円 → 月207人
- 入れた後 120万円÷93.7% → 月商1,281,000円 → 月214人
月商の差は、43,000円です。
月商は、千円の単位で切り上げています。客数は、その月商を平均単価の6,000円で割った人数です。1人に満たない分は切り上げています。
営業日数を月25日と置くと、1日およそ8.3人だった線が、およそ8.6人になります。
ここまでの金額・割合・人数は、例として置いた値です。手数料は決済の種類やご契約で、ポイントは予約サイトやご契約で変わります。ご自分の店の数字に置き換えて読んでください。
いまの話を、サロン電卓の画面で見ると、こうなります。

上がるのは線のほうです。お客様が7人減る話ではありません
7人という数字の読み方を、先に書きます。
手数料もポイントも、これまで毎月出ていっていたお金です。入れたからといって、新しく出ていくお金が増えるわけではありません。
変わるのは、赤字にならない線の位置です。207人だと思っていた線が、214人のところにあった、という話です。
線を上回っている月でも、線までの余裕は、思っていたより7人ぶん少ないことになります。
先月が210人だったなら、どうでしょうか。
入れる前の線で見ると、3人上です。入れた後の線で見ると、4人下です。
この例の数字のままなら、線の上にいるつもりの月が、手数料とポイントを入れると線の下だった、ということになります。
率が2.9%でも3.7%でも、線は213人から215人のあいだです
手数料とポイントの率は、店によって違います。予約サイト経由の割合を30%・50%・70%と動かして、率を出し直しました。ほかの数字はそのままです。
| 手数料とポイントの率 | 赤字にならない月商 | 月の客数 |
|---|---|---|
| 入れない | 1,238,000円 | 207人 |
| 2.9%(予約サイト経由が30%) | 1,276,000円 | 213人 |
| 3.3%(予約サイト経由が50%) | 1,281,000円 | 214人 |
| 3.7%(予約サイト経由が70%) | 1,287,000円 | 215人 |
率を変えた3つの行で、線は1人ずつしか動いていません。
一方で、入れないときの207人とは、6人から8人の差があります。
この例で線を大きく動かしているのは、率の細かな違いではありません。入れているか、入れていないかの違いです。
この線には、ご自身の報酬と、返済と税金が入っていません
214人の線に入っていないものを書きます。
- スタッフの社会保険と労働保険の会社負担、残業代、通勤手当
- ご自身の報酬
- 借入の返済と、税金
- 設備の入れ替えや修繕のような、毎月ではない出費
- 季節の波。同じ214人でも、月によって届きやすさが違います
- 店販の売上。平均単価は、施術の売上だけで置いています
はじめの2つは、入れる場合は毎月かかるお金に足します。
返済がある店では、214人では足りません。214人は赤字にならない線で、手元にお金が残り始める線ではないのです。
手数料とポイントの率についても、1つあります。この記事の3.3%は、税抜の売上にそのまま率を掛けて出しています。
手数料やポイントが、税込の金額をもとに計算されるご契約もあります。そのときは、売上に対する割合がこの3.3%より大きくなり、線ももう少し上になります。どちらをもとに計算されるかは、入金明細や請求書で確かめてください。
手数料やポイントに消費税がかかるかどうか、帳簿でどう扱うかは、この記事では扱っていません。税理士さんにご確認ください。
固定給に歩合を上乗せしている店では、線の上がり方がこの例より大きくなります。売上が増えると、歩合の支払いも増えるためです。
手数料とポイントを減らすかどうかは、この線からは決まりません
この計算は、次のものを見ていません。
- カードやQR決済が使えることで、来てくださっているお客様が何人いるか
- 予約サイトから、新しいお客様が何人来ているか
- 214人に、実際に届くかどうか
出るのは、線がどこにあるかだけです。
決済の方法や予約サイトを見直すのか、このまま続けるのか。線を見たあとのことは、あなたが決めることです。
率を1つ入れるだけで、線を出し直す道具があります
割り算は、電卓でもできます。手間がかかるのは、率を替えるたびに、割り算と切り上げをやり直すところです。
サロン電卓の「損益分岐の月商(いまの店)」は、赤字にならない月商と客数を一度に出します。
はじめに、いちばん上の「業種」でアイサロンを選びます。下のほうにある「材料費率」に、3が入ります。
この3は、アイサロンの目安として入る数字です。統計から取った数字ではなく、現場の実感による目安です。ご自分の店の率が分かるなら、打ち替えてください。
次に、数字を5つ入れます。
- 「家賃」に、250,000
- 「その他の毎月かかるお金」に、200,000
- 「スタッフの人数」に、3
- 「1人あたりの固定給」に、250,000
- 「いまの平均単価」に、6,000
「1か月の営業日数」には、最初から25が入っています。歩合を付けていない店は、「いまの歩合率」を空のままにします。ほかの所は、そのままで構いません。
入れ終わると、いちばん上に、1,238,000円 / 月、月207人・1日およそ8.3人と出ます。手数料とポイントを入れる前の線です。

「材料費率」のすぐ下に、「売上から先に出ていくお金」があります。ここに、3.3を入れます。

入れる率が分からないときは、サロン電卓に、同じ名前の「売上から先に出ていくお金」という道具があります。売上と、割合と、率を入れると、売上の何%にあたるかが出ます。この記事と同じ割合と率で出した例は、別の記事に書いています。
3.3を入れると、いちばん上の数字が、1,281,000円 / 月、月214人・1日およそ8.6人に変わります。
数字の下の説明も変わります。家賃・その他450,000円と、人件費750,000円を足すと、月1,200,000円。その金額を93.7%で割った金額です、と出ます。

毎月の掲載料は、「その他の毎月かかるお金」に入れてください。「売上から先に出ていくお金」に入れるのは、売上に率を掛けて出ていくお金だけです。掲載料とポイントが1枚の請求書で来ていても、ここでは2つに分けて入れます。
「売上から先に出ていくお金」を空のままにすると、0%として計算されます。そのときに出るのは、入れる前の線です。
https://salondentaku.com/apps/breakeven-sales
今夜やることは1つです。いま頭にある「これだけ売れば大丈夫」の金額を、紙に書いてください。その金額に、カードの手数料と予約サイトのポイントは入っているでしょうか。
家賃・人件費・その他から、毎月いくら売れば赤字にならないかを計算します。1日あたりの金額と、平均単価で割った月の客数まで出ます。
登録なしで、無料でお使いいただけます。
- 美容室最低保証を月21万円に上げます。歩合40%の店で、支払いが増えないのは月いくら売る方からでしょうか最低保証を上げても、支払いが変わらない月があります。変わる月と変わらない月は、どこで分かれるのか。境目を金額で出します。
- 美容室スタッフ3人のお給料を、1万円ずつ上げたい。お客様は月にあと何人要るのでしょうかお給料を上げたい。けれど、上げたあとも店が回るのかが分からず、まだ切り出せずにいませんか。上げる金額を、お客様の人数に直します。
- 美容室毎月1,450,000円が出ていく店で、1,450,000円を売れば赤字にならないのか毎月出ていくお金が1,450,000円なら、1,450,000円売れば赤字にならない——そうはなりません。足し算ではなく割り算です。
- 美容室あと4人ぶんの月32,000円を、人数ではなく値段で埋めたい。月195人の店なら、お一人あたり何円でしょうかお給料を上げると、赤字にならない客数も上がります。足りない分を、人数ではなく値段で埋めるなら。お一人あたりの金額に直します。
- 💳 売上から先に出ていくお金入れる率が分からないとき、売上と割合から、手数料とポイントが売上の何%にあたるかが出ます。
サロン電卓には、いま36本の道具があります。道具の一覧を見る →