9月の歩合が、売上は同じなのに15,000円増えました。どこかで間違えたのでしょうか
2026年10月1日
美容室の話です。スタイリストは3人、1店舗。
10月に入って、9月の歩合を計算しました。
この店は、売上を指名とフリーに分けて歩合を出しています。
指名は、お客様がそのスタイリストを選んで予約した売上です。フリーは、指名なしで来たお客様を担当した売上です。
歩合率、つまり売上に掛ける割合は、フリーが45%、指名が55%です。率は店によって違います。ここでは一例として、この店の率で計算します。
いちばん長く勤めているAさんの9月の売上は、60万円でした。8月と同じです。
ところが、9月の歩合は310,000円。8月の295,000円より、15,000円多く出たのです。
売上が同じなのに、歩合だけが増えた。みなさんも、計算し直して同じ数が出て、首をかしげたことはないでしょうか。
この記事は、増えた15,000円がどこから来たのか、その1点だけに答えます。
15,000円増えたのは、指名の売上が15万円増えたからです
先に答えを書きます。
売上の合計は同じでも、指名が15万円増えて、フリーが15万円減っていました。
8月と9月の計算を並べます。
- 8月 フリー35万円×45%+指名25万円×55%=295,000円
- 9月 フリー20万円×45%+指名40万円×55%=310,000円
動いたのは、売上の中身です。フリーの15万円が、そのまま指名に移っています。
移った15万円には、45%ではなく55%が掛かるようになりました。率の差は、55から45を引いた10%です。
15万円に10%を掛けて、15,000円。増えた歩合と、同じ数です。
計算の間違いではありません。決まりどおりに計算すると、こうなるのです。
ここまでの金額は、例として置いた値です。ご自分の店の率と売上に置き換えて読んでください。
売上の合計だけで、歩合を読まないでください
いちばん大事なところを書きます。
率が1つの店なら、売上が同じ月は、歩合も同じです。
率が2つある店では、そうなりません。歩合は、売上の合計ではなく、指名とフリーの分かれ方で決まります。
この店の率なら、指名に1万円移るごとに、歩合は1,000円増えます。反対に、フリーに1万円移れば、1,000円減ります。
合計が同じで歩合が違うなら、理由は分かれ方の中にあります。
ですから、先月と歩合が違う人がいたら、売上の合計より先に、指名の売上を見てください。
Aさんの指名が15万円増えたのは、Aさんを選んだお客様の売上が、15万円増えたということです。15,000円は、その15万円が指名になったことで増えた歩合なのです。
店の側では、15,000円少なく残ります
店の側から見ると、反対のことが起きています。
売上から歩合を払ったあとに、店の側に残る金額で見ます。
Aさんの分を並べます。金額の単位は円です。
| 8月 | 9月 | |
|---|---|---|
| フリーの売上 | 350,000 | 200,000 |
| 指名の売上 | 250,000 | 400,000 |
| 売上の合計 | 600,000 | 600,000 |
| 歩合 | 295,000 | 310,000 |
| 店の側に残る | 305,000 | 290,000 |
売上は同じで、店の側に残る金額は15,000円少なくなりました。
指名に高い率を付けているのは、選ばれた分に厚く払うという、この店の取り決めです。指名が増えた月に店の側が少なくなるのは、決まりどおりの動きなのです。
歩合は、固定給を足す前、税金を引く前の金額です
この記事の歩合は、売上に率を掛けた金額だけです。
次のものは入っていません。
- 固定給や手当。払っている店は、その分を別に足します
- 残業代。雇用のスタッフに残業がある月は、歩合の分にも付きます
- 税金と社会保険。310,000円は、手取りではありません
- 店販の歩合や、指名料を別に払っている店のその分
雇用のスタッフに歩合だけで払う店では、働いた時間に応じた一定額の保障と、最低賃金を下回らないことが要ります。
店の側に残る290,000円も、材料や家賃を引く前の金額です。そのまま店のもうけではありません。
指名が増えた理由は、売上の数字からは分かりません
この計算は、次のものを見ていません。
- 指名のお客様が、初めての方か、前から来ている方か
- 1回の施術にかかった時間
そして、いちばん大きい限界を1つ。指名が15万円増えた理由は、売上の数字からは分かりません。
理由を知っているのは、Aさん本人です。数字を見たら、次は何があったかをAさんに聞いてみてください。
歩合の計算を、1人ずつ引き受ける道具があります
ここまでの計算は、電卓でできます。ただ、3人いれば、指名とフリーで6回の掛け算です。月の初めの忙しいときに、毎月これを続けるのは手間がかかります。
毎月の歩合の計算を引き受ける道具として、サロン電卓に「今月の歩合の支払額」があります。
入れるのは、1人ずつ、その月のフリーの売上と指名の売上、フリーの率と指名の率です。
出るのは、お一人ずつの支払額と、支払いの合計、店に残る金額の3つです。店に残る金額は、この記事と同じく、売上から支払いを引いたところまでです。税金と社会保険が入っていないことも、そのまま書いてあります。
月が変わってから開くと、最初から先月が選ばれています。10月に開けば、9月の歩合になります。
売上を入れたのに率が抜けている人がいると、全員の支払額が出ません。代わりに、誰の何が抜けているかが出ます。抜けたまま0として計算すると、支払いが少なく出るからです。
Aさんの9月の売上と率を入れると、Aさんの支払額は310,000円と出ます。8月の分を入れれば、295,000円です。
1回に出るのは、選んだ月の分です。差の15,000円は、2か月分を出して引き算します。
お客様の名前は、1文字も扱いません。
https://salondentaku.com/apps/staff-payout
今夜やることは1つです。レジの9月の集計から、スタッフごとに指名の売上を出して、8月の指名の売上の横に書いてください。売上の合計が同じなのに歩合が先月と違う人がいたら、理由はその1行に出ます。あなたの店でも、明細を渡すときに「指名が増えた分です」と一言添えられます。
- 歩合の画面で赤い字が出ました。どの欄を埋めればいいですか1つ目の欄に数字を打ったら、答えの枠が消えて赤い字が出た。そこで止まっていませんか。
- 「1%でいいので上げてもらえませんか」と言われました。この1%は、いくらのことですかスタッフから「1%でいいので」と言われて、返事に詰まる。その1%がいくらか、決まっていないからです。店の側にも、スタッフの側にも、金額があります。
- 売上は増えたのに、9月の残りが4.8万円減りました。もうけが減ったのでしょうか売上は先月より増えたのに、締めてみると残りが減っていました。どこで減ったのかを、引き算を並べて探します。
- 🗓️ 今月の締めの1枚売上・人件費・材料の仕入額を入れると、その月の締めの1枚が出ます。
サロン電卓には、いま35本の道具があります。道具の一覧を見る →