あと4人ぶんの月32,000円を、人数ではなく値段で埋めたい。月195人の店なら、お一人あたり何円でしょうか
2026年10月10日
美容室の話です。スタイリストは3人、1店舗。
3人とも固定給で、月30万円です。この3人のお給料を、1万円ずつ上げることにしました。
毎月かかるお金は、家賃や人件費を合わせて、145万円から148万円になります。
平均単価は8,000円。材料費は、売上の7%と置きました。
売上から材料費を引くと、残るのは93%です。148万円を93%で割ると、赤字にならない月商が出ます。この金額を、この記事では線と呼びます。
千円の単位で切り上げて、1,592,000円。上げる前は、1,560,000円でした。
客数にすると、線は月195人から月199人に上がります。
この店のお客様は、いま月195人。上げる前の線ちょうどです。あと4人足りません。
金額は店によって違います。ここでは一例として、この店の数字で計算します。金額はすべて税抜です。
あと4人を、すぐに増やせるかどうかは分かりません。それなら、値段のほうで埋めると、いくらになるのでしょうか。
みなさんは、足りない人数を、お一人あたりの金額に直してみたことはあるでしょうか。
この記事は、あと4人ぶんを値段だけで埋めるならお一人あたり何円か、その1点だけに答えます。
計算は、この月195人のまま進めます。
お一人あたり165円です。平均単価が、8,000円から8,165円になります
先に答えを書きます。
月195人のままなら、平均単価をあと165円。8,000円が8,165円になれば、上げたあとの線に届きます。
195人の月商は、8,000円×195人で1,560,000円。線の1,592,000円まで、32,000円足りません。
この32,000円の埋め方を、2つ並べます。
- 人数で埋めるなら 1,592,000円÷8,000円 → 月199人 → あと4人
- 値段で埋めるなら 1,592,000円÷195人 → 平均単価8,165円 → あと165円
平均単価は、1円に満たない分を切り上げています。
上げたお給料は月3万円なのに、足りない売上は32,000円です。増えた売上からも、材料費の7%が先に出ていくためです。
ここまでの金額と人数は、例として置いた値です。ご自分の店の数字に置き換えて読んでください。
「あと165円」を、165円上げれば埋まる、と読まないでください
8,165円は、195人のお客様が、お一人も減らずに来てくださる場合の金額です。
お一人減って194人になると、線に7,990円届きません。
値段で埋める165円は、195人がお一人も減らないときにだけ、線に届く金額なのです。
人数で埋める場合も、事情は似ています。あと4人が来てくださるかどうかは、割り算からは分かりません。
もう1つ。165円は、平均の話です。値段表のすべてを165円ずつ上げる、という意味ではありません。
一部のメニューだけを上げても、平均単価は動きます。メニューを足していただく方が増えても、動きます。
いまの客数が199人以上の店は、32,000円をその人数で割ります
線より上にいる店では、線までの不足はありません。
ただ、お給料を上げた分だけ、手元に残るお金は減ります。
それを値段で埋めるなら、足す売上は同じ32,000円です。
たとえば月220人の店なら、32,000円を220人で割って、あと146円。1円に満たない分は切り上げています。
手元に残るお金は、上げる前とおよそ同じになります。
この店では、線に1人足りないごとに、お一人あたり40円あまりです
目標は1,592,000円のまま、いまの客数を変えて並べます。平均単価は8,000円です。
| いまの客数 | 人数で埋めるなら | 値段で埋めるなら |
|---|---|---|
| 195人 | あと4人 | あと165円 |
| 197人 | あと2人 | あと82円 |
足りない人数が多いほど、お一人あたりの金額も大きくなります。
お一人ぶんの8,000円を、いまの客数で分け合う形になるためです。この店では、1人足りないごとに40円あまりになるのです。
3万円を195人で割ると、154円です。165円との差は、材料費の置き方です
お給料の3万円を、そのまま195人で割ると、154円になります。1円に満たない分は切り上げました。
165円より11円少ないのは、材料費の置き方が違うためです。
165円は、増えた売上からも材料費の7%が出ていく、と置いた金額なのです。
値段だけを上げて、使う薬剤の量が変わらないなら、材料費は増えません。その場合は、154円で3万円に届きます。月商は線に少し届きませんが、材料費が増えないぶん、この計算では赤字になりません。
メニューを足していただいて平均単価が上がるなら、薬剤も増えます。その場合は、154円では足りなくなります。
どちらに近いかは、値段の上げ方で変わります。
この165円には、線に入れていないお金が入っていません
165円は、1,592,000円の線に届くための金額です。線に入れていないものは、165円にも入っていません。
- 社会保険の会社負担など、お給料と一緒に動くお金
- 税金と、借入の返済
- ご自身の報酬
見込みの金額が分かるなら、毎月かかるお金に足してから、線を出し直してください。線が上がると、165円も上がります。
売上の側にも、入れていないものがあります。店販の売上です。平均単価は、技術の売上だけで置いています。
値段を上げるかどうかは、この計算からは分かりません
この計算は、次のものを見ていません。
- 値段を上げたときに、お客様が離れるかどうか
- あと4人が、新しいお客様なのか、いまのお客様の来店が増えた分なのか
- 席とスタッフの人数で、その客数を受けられるかどうか
- 月によって、お客様の数が動くこと
そして、いちばん大きい限界を1つ。人数で埋めるか、値段で埋めるかを、この計算は決めません。
出るのは、それぞれの埋め方の人数と金額だけです。
195人のうち、165円上がっても変わらず来てくださる方は何人か。その見当は、計算からは出ません。出せるのは、お客様を知っているあなたです。
人数と値段の埋め方を、一度に並べる道具があります
ここまでの割り算は、いまの客数が変わるたびに、やり直しになります。
サロン電卓の「目標月商の逆算」は、このやり直しを引き受ける道具です。
入れる数字は3つです。
- 「いまの平均単価」に、8,000
- 「1か月の来店客数」に、195
- 「目標の月商」に、1,592,000
「1か月の営業日数」には、最初から25が入っています。「施術するスタッフの人数」は、空のままで構いません。
入れ終わると、「目標まで あと」の下に、32,000円と出ます。埋め方の3通りは、数字を入れたところよりも下に並びます。
- 客数だけで埋めるなら 月+4人(199人)・1日あたり+0.2人
- 単価だけで埋めるなら 平均単価8,165円(+165円)
- 半分ずつなら 月+2人(197人)と、平均単価8,082円(+82円)
「1か月の来店客数」を、195から197に打ち替えてみてください。表の人数と金額が出ます。
線より上の店は、「目標の月商」に、いまの月商に32,000円を足した金額を入れます。
「目標の月商」に入れる線は、この道具からは出ません。3万円を195人で割った154円も、出ません。どちらも、道具の外の割り算です。
線は、はじめの場面と同じ割り算で出します。毎月かかるお金を、材料費を引いた残りの割合で割ります。
平均単価に154円を足して入れると、不足が少し残って出ます。線に届く金額ではないためです。
道具が出す8,165円も、いまのお客様がそのまま来てくださる前提の金額です。
https://salondentaku.com/apps/sales-target
今夜やることは1つです。先月のお客様の人数を、数えてみてください。値段で埋める金額は、足りない売上をその人数で割ったものです。割る数が分かれば、あとは線を出すだけです。線の出し方は、別の記事に順を追って書いています。
- 月商をあと40万円伸ばしたい。1日あたり、あと何人来ていただければいいのかあと400,000円は、1日あと2.0人。施術する3人で分けると、1人あたり1日0.7人です。単価だけで埋めるなら9,334円。
- メニュー表の前で手が止まる。「何人か減るよね」の何人かに、線はありますか値上げを考えるたびに「でも何人か離れる」で止まって、去年もそのままになった方へ。その「何人か」に線を引く話です。
- 8,000円を8,800円にする。お客様は300人のうち、何人まで減っていいのか8,000円は入れた。それなのに、赤い箱が消えない。値上げ後の欄に、上げ幅を打っていませんか。
- 月300人の店で、来店の間隔が8週から7週になる。月商はいくら増えるのか間隔が8週から7週になると、月300人・単価8,000円の店で月商は344,000円増えます。実人数554人は1人も増えていません。
- 📈 料金改定シミュレーター単価で埋めるとき、何人まで離れても粗利が減らないかが出ます。
サロン電卓には、いま35本の道具があります。道具の一覧を見る →